11月5日、総勢81名の方にご参加いただき、2022年のマステアートが完成しました!

2度目にしてすでに恒例となりつつある、たまに東京拠点での巨大ハートのマステアートワークショップ。今年は、10月23日、30日、11月5日の3日間でのべ81名、1〜93歳までという幅広い年代(実に!)の参加者&サポーターのみなさんをお迎えし行いました。

参加された皆さまに、改めての心よりの感謝を込めつつ、3日間の様子を佐竹麗がレポートします。

作品としてもイベントとしてもバージョンアップ

合計18時間に及ぶ共同作業の末にできあがったのは、深海のような青い大きなハートの中に、なんと113個ものハートを内包したマステアート。昨年の経験から暖色系の退色が激しいことがわかっていたので、色の面でもチューニングし、エスキース(下絵)を現場で共有しての共同作業。そうした甲斐あって、オープンで多様、なのに不思議と調和した、西村さんならではでありながら、私たちのフィロソフィーをも象徴するような作品となりました。

左が剥がす直前の2021年マステアート、中央下が2021年作品の完成時のもの。右はエスキースを描く西村公一さんと参加してくれたおうちゃん

終了後は、路上で美味しい料理(いろいろ焼きました(๑˃̵ᴗ˂̵)❤︎)とホットワインをいただきながら、参加してくださったご近所さんやサポートメンバーを交えてのささやかな宴。屋外でのご近所さんとの宴は、修士研究しながら夢想していたシーンでもあって...。束の間の夢を見ているような、それはそれは美しいひと時でした。

完成後の宴

2年目としての面白さ

今回のマステアート制作の前回との違いは、まず「剥がし」の工程があったこと。退色したものも充分美しくはあったのですが、しばらくは年中行事として毎年作り替えるイベントを楽しみながら、イベントの質やエコシステムの変化、そして何より、そこに集う人たちの関係性等の変化を楽しんでみたいと考えた私たち。そのためには昨年の作品を剥がす必要があるのですが、「剥がしたマステで立体作れますよ、ワークショップしたらいいじゃないですか」と西村さん。それは素敵!ということで、初日は立体のハート作りワークショップを実施しました。

制作風景いろいろ。ご参加ありがとうございました!

もうひとつの違いは、メンバーの動きがいい感じにこなれて来たこと。多くのメンバーが初経験という中で作業を進めていた去年と違って、今年は、足場を組むのも、作業の目的を理解するのも、手を動かすのも連携も作業も皆本当にスムーズ。こなせばよい作業に時間がかからなくなった分、いい集中と穏やかさで作品作りに集中できたのが印象的でした。

地元の屋外で手を動かしてやるイベントの懐の深さ

今回のイベントで感じた面白さは他にもあって、その最大のものは、屋外でこぢんまりとやるイベントの懐の深さ。

例えば、今回の参加者中で最年長である93歳のYさんは、たまにの拠点のご近所さん。日中自転車を乗り回して運動しているようで、作業している間、私たちの元に度々訪れてくださいました。昔のこのエリアのお話や、その人生の長い歴史から来る多くの経験談が本当に面白く、一方で、特に頑張っておもてなしする感じもなくて、そこに居合わせた人が、その時々で相槌を打ったり質問したり。

あるいは、散歩の途中で偶然現場に出くわして立ち寄ってくださった、中国出身のがんちゃん。全員と初対面だったけど、一緒に手を動かして作業しているとしみじみとした話がしやすくて、職場での苦労や日々の暮らしの様子等いろんな話ができて、気づけば最後の宴まで参加してくれた。

お天気にも恵まれ、本当に穏やかで笑いに溢れていた3日間。

昨年に続き見に来てくださったご近所の方がジンベエザメやエイにニックネームをつけてくれていたことがわかったり、子どもたちの成長を感じたり、去年にも増して皆さん思い思いのお茶菓子をお持ちくださってコーヒーと楽しめたりと、小さな喜びも散りばめられた豊かな時間でした。

“たまに“の活動は、屋台でのカフェの仕組み化とエコシステム構築を試みたり、コンサルをしたり研究支援をしたりワークショップをしたりと多岐にわたっているのですが、マステアートイベントは設立当初の構想に全くなかった活動なんです。それだけに、このイベントが、私たちの未来にどんな化学反応をもたらしてくれるのか、今後がとても楽しみです。

Special Thanks to...Koichi Nishimura, Ei Katoda, 大木亨, Keisuke Ishizumi そして、ご参加くださったすべてのみなさま。
協力 : MARK'S

文:佐竹 麗